水回りの手入れって面倒でついつい何か月もやらずにいたりしますよね。
日々の掃除を徹底して部屋を綺麗に保つことが理想ですがなかなかそうはいかず、かといって本当は注意していれば付くはずもなかった汚れが不意にできてしまうこともあります。
そうなると、最悪の場合には善管注意義務を怠ったとされることもあります。
今回は、賃貸不動産における善管注意義務に関して記事をお届けします。
現役管理会社の私のコラムの第一回と最新話はこちらからご覧いただけます。
第一回>>マンション投資を成功させる秘訣は管理の選び方がすべて!その①【現役管理会社社員が秘訣を暴露】
最新話>>不動産投資の管理費とは?成功に導くためには不可欠な費用その⑮【現役管理会社社員が語る】
賃貸における善管注意義務とは
賃貸における善管注意義務について先に確認しておきましょう。
債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。
引用:wikibooks 民法第400
善管注意義務とは、民法第400条の善良な管理者としての注意義務のことを指します。
賃貸契約における善管注意義務では、入居者が借りた部屋を管理者として注意を持って扱うことが求められます。
社会通念上要求される程度の注意義務が発生し、不注意や過失で部屋を破損させた場合は、管理者としての義務を怠ったとして過失となり、それが善管注意義務違反ということになります。
賃貸における入居者負担になる善管注意義務違反の例
賃貸をしていて、善管注意義務違反となる実例は下記ケースがあります。
- 水回りの手入れを怠りカビが発生した場合
- 床の水漏れを放置しフローリングの痛みや腐食が起きた場合
- クロスに日常生活では着かないような汚れを付けてしまった場合
つまり、ご自身が日常生活で注意していれば防げたであろう損傷をさせてしまった場合に善管注意義務違反となるケースが多いです。
水漏れに関しては別記事に詳しくまとめていますので合わせてご覧になってみてください。
参考>>マンションの天井からの水漏れ!漏水被害の対処は管理会社の腕の見せどころその④【現役管理会社社員が秘訣を暴露】
善管注意義務違反をするとどうなるのか
入居者が日常の掃除を怠ったり、エアコンから水漏れし続けているのにもかかわらず放置した結果、室内が汚損、破損した場合は入居者の善管注意義務違反になります。
その場合には退去時に原状回復費用を請求されることになります。
原状回復に関してはこちらの記事に詳しくまとめていますので合わせてご覧になってみてください。
参考>>ワンルームマンション投資で必要になる原状回復工事とは?その⑬【現役管理会社社員が語る】
善管注意義務違反による実例:カビ
本来は善管注意義務違反を入居者が怠った場合の負担は入居者がですが、入居者によって承諾しない方もいます。
そんな時こそ管理会社の腕の見せどころです。
善管注意義務違反の実例として、私が経験した入居者がカビを発生させてしまった例を見てみましょう。
- 半地下の物件で元々湿気がたまりやすい部屋
- 気を付けていてもうっすらとした多少のカビは生えてしまうような部屋
元々カビの生えやすい環境ではあったのですが、入居者が退去する際に室内を確認したところ、なんと窓際の床、天井と壁のクロスがカビで真っ黒になっていました。
カビの生えやすい部屋だったのと、入居者は日ごろから掃除をしていたとの主張で一切負担しないと一点張り。
そこで私は、同じフロアの別部屋の退去写真を入居者に確認いただき、掃除を怠っているから今回のように真っ黒にカビが生えてしまったことを入居者に理解してもらうよう投げかけました。
結果としては、入居者は最後まで納得してくれませんでしたが、家主と入居者と半分ずつ費用を負担する事で話が落ち着きました。
善管注意義務違反の判断は難しい
実例で上げましたように、汚れてしまったときに自分のせいではないと主張されるとその立証をする必要があります。
もしこの記事をご覧のオーナーが自主管理をしている場合には、入居者に対してご自身で全て交渉を行う必要があります。
一方でワンルームマンション投資をされているオーナーは原則委託管理をされていますが、管理会社によっては善管注意義務に対しての交渉をうまくできない会社もあります。
不動産投資を成功させるためには良質な管理は必須ですが、その為には良質な管理会社との付き合いする事が大切になります。
良質な管理会社であれば、今回の記事のような善管注意義務違反に関してもオーナーの負担がなるべく少なくなるよう交渉してくれます。
良質な管理会社の選び方に関してはこちらの記事に詳しくまとめていますので合わせてご覧になってみてください。
参考>>不動産投資を成功に導く良い管理会社の選び方その⑫【現役管理会社社員が語る】
まとめ 善管注意義務を知っておこう

今回は、賃貸不動産における善管注意義務に関して記事をお届けしました。
入居者が退去する時の対応で何も部屋に問題がなければ原状回復を行うだけで良いですが、異常な汚れや破損がある場合には善管注意義務を違反していることを疑わないといけません。
オーナーの労力を下げるためには良質な管理会社との付き合いが大事になります。
今回の記事が賃貸不動産の善管注意義務に関して少しでも参考になれば幸いです。
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