不動産投資をした際に、必ず発生するのが退去に伴う原状回復工事です。
不動産投資を始めてすぐに退去を想定することはないかもしれませんが、不動産投資を成功させるためには退去時の原状回復工事にかかる費用も想定しておくことが望ましいです。
今回は、ワンルームマンション投資で必要になる原状回復工事に関して記事をお届けします。
現役管理会社の私のコラムの第一回と最新話はこちらからご覧いただけます。
第一回>>マンション投資を成功させる秘訣は管理の選び方がすべて!その①【現役管理会社社員が秘訣を暴露】
最新話>>不動産投資を成功に導く良い管理会社の選び方その⑫【現役管理会社社員が語る】
原状回復とは
まず、原状回復に関して定義を確認しましょう。
賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること。
引用: 国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
つまり、賃貸住宅の退去時に入居時の状態に戻すことを指します。
原状回復工事が必要になるときとは
原状回復工事が必要になるときは、入居者が退去するときに必要になります。
厳密に言うと、原状回復工事にかかる費用はオーナー負担になるため行わずに入居者募集をすることも可能ではあります。
ただ、次の入居者を募集したときに以前の入居者が使用した汚れや破損がある状態で入居者は気持ちよく入居してくれるでしょうか。
新しい入居者に気持ちよく入居してもらい、1日でも長く住んでもらえるように空室になれば原状回復工事を行うようにしましょう。
原状回復工事が必要になる設備や箇所とは
実際に、空室になった際に原状回復工事が必要になる設備や箇所はこちらになります。
- ハウスクリーニング
- エアコン内部洗浄
- クロス張替(壁紙張替)
- フローリングワックス塗布
- ソフト巾木(はばき)交換
- コーキング打ち替え
つまり、汚損、破損した箇所や設備になり、入居期間3年で7〜12万円程度かかる想定をしておくと無難でしょう。
原状回復工事の費用と合わせて確認しておきたい修繕費に関してはこちらに詳しくまとめていますので合わせてご覧になってみてください。
参考>>ワンルーム投資家必見!賃貸経営でかかる修繕費ってどのくらい?その⑩【現役管理会社社員が秘訣を暴露】
原状回復工事は誰が負担するか
原則はオーナー負担となります。
例外として、借主(入居者)の故意過失、もしくは善管注意義務違反に該当する工事の場合は、借主負担となります。
つまり、原状回復費用としてオーナーは負担することを前提に月々の家賃から積立を行っておくことが無難でしょう。
原状回復工事を依頼するときの注意点とは
上記のように、空室時には原状回復工事が必要になりますが確認しておくべき点があります。
業者から届く見積りに過度な工事内容が入っていないか、もしくは修繕必要箇所を見落としていないかどうかの確認が必要です。
確認をする上での理想は、オーナーご自身が空室になった際に所有物件まで見に行って業者と一緒に状況を確認することが理想です。
訪問が難しい場合には、業者に依頼して中の状況を写真で撮ってきてもらうや、ビデオ撮影を依頼しても良いかもしれません。
その際には、信用していないからというスタンスではなく部屋をいかに入居者にとって気持ちの良いものにするかしっかり自分の目でも確認して提案したいという前向きなスタンスで行きましょう。
原状回復工事完了までの流れ
原状回復工事を依頼するときは、2パターンがあります。
- 自分で業者を手配する場合
- 管理会社へ任せる場合
それぞれの流れとメリット・デメリットに関しても見ていきましょう。
自身で業者を手配する場合
自身で業者を手配して原状回復工事を行うときの流れはこちらです。
現場状況確認(入居者立会)→工事業者へ見積依頼→見積精査,発注→完工後現地確認
自分で原状回復工事の業者を手配することのメリット・デメリットはこちらです。
- メリット:間に管理会社を挟まないので、費用が安く抑えられる。
- デメリット:入居者からクレームが来た場合には自分で処理する必要がある。業者からの見積もりが正しいかを自分で判断しないといけない。業者を探す手間がかかる。
元々馴染みのある信頼できる業者と繋がっているのであれば、余分な手間も費用もかからないためご自身で手配したほうが良いでしょう。
管理会社へ任せる場合
管理会社へ任せる場合の現状回復工事を行うときの流れはこちらです。
管理会社見積確認→発注
管理会社へ任せる場合のメリット・デメリットはこちらです。
- メリット:全て対応してくれる為、手間がかからない。完成までの時間が早い。
- デメリット:自分でやるよりは費用が高くなる
ご自身で馴染みのある業者が居ない場合などは管理会社に任せたほうが無難です。
原状回復工事とリフォームやリノベーションの違いとは
原状回復工事とよく似た意味合いで考えられる単語として、リフォームとリノベーションがあります。
それぞれの違いはこちらです。
- 原状回復工事:入居前の状態に戻す。
- リフォーム:原状回復のための修繕、不具合箇所への部分的な対処をする
- リノベーション:入居前の状態より部屋の価値を高める
リフォームとリノベーションの厳密な定義は無いのですが、リフォームはどちらかというと原状回復工事に近いイメージで、リノベーションは今の物件の価値を上げに行くイメージです。
図にあるように、原状回復工事やリフォームに関しては経年変化・通常損耗での賃料に含まれる部分からグレードアップでの貸主負担部分が当てはまり、リノベーションに関してはグレードアップでの貸主負担部分が当てはまるでしょう。
結果的に、リノベーションの方が原状回復工事、リフォームと比べると規模も費用感も高くなる事が多いです。
まとめ ワンルームマンション投資でも原状回復工事はしっかり行おう

今回は、ワンルームマンション投資で必要になる原状回復工事に関して記事をお届けしました。
原状回復工事は、一見費用もかかりマイナスな印象になりますが次の入居者に気持ちよく入居してもらい1日でも長く入居してもらうためには必要なことです。
今回の記事がワンルームマンション投資における原状回復工事に関して少しでも参考になれば幸いです。
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